させんバンカーの 独り言

ある日、突然左遷された元銀行員の日常

役員の定年制

こんにちは。させんです。

皆さんの会社の役員定年って決まってますか?

以前は役員の定年制がある会社がほとんどだったと思います。明確に規定がなくても、大会社はポストごとに「この役職は上限65歳まで任期2年」とか運用として暗黙のキマリがあり次々と就任退任を繰り返して行く等。そうして人事ポストを確保しつつ人を入れ替えてモチベを高く維持させ組織をリフレッシュし活性化していく理屈でした。それでも、例えば有名大学出の本部で偉くなっていくエリートが次々と出世ポストを独占し続けて、周りの人は「ああ、またあの出世コースのエリートか」「俺には関係ないし」「荒波を立てず無事過ぎ去って」という醒めた無常観を持ってお迎えしお見送りすることを繰り返すだけなのですが。

例えば、オーナー系中小企業では、オーナー一族が社長、役員の座を、某拳法のように一子相伝で継いでいくことがほとんどでしょう。極稀に跡取りがいなくて一族外から有能と思しき人材を昇格させることがあるかもしれません。

では、非オーナー系中小企業はどうでしょうか?有能と思しき社員が社長、役員となって、一定の年齢になったら次世代にバトンを渡していく。そこに役員という既得権をいつまで特定の人間が独占することの無いよう、一定の定年年齢を規程し、「割り切って」スムースに次世代にバトンを渡していく必要があるはずです。現役員の引き際の明確化と次世代のモチベーション維持高揚のために、役員定年の明記による明確化は必要でしょう。

例えば株主全員が役員かつ全員が65歳を超えていても、役員全員が自分たちの既得権をずっと保持し続けるため、役員会、株主総会で「役員定年制」を廃止してしまえば、ずっと役員で居続けることができてしまいます。役員定年制が明確に規定されていなければ、役員自身の引き際を自身で決めるという最も難しい判断をせねばなりません。そうなると役員の引き際は、重病か逝去かといった極端な事象の発生といった可能性が高まるでしょう。後者は遺族との円満な解決ができれば御の字の、残された社員にとって迷惑な話です。

こうした役員による会社の私物化とも言える事象には、役員が気づかないうちに自身の老化と組織の不活性化により会社の経営基盤が侵食されていくリスクが潜んでいます。スムースに次世代にバトンを渡して行くことで組織を活性化を図っていくことが難しい。役員は自己保身、既得権の維持に腐心すべきではない。役員の役割責任を見失った役員たち本人達の自覚に任せるしかないのか。きっと自浄作用は働かないでしょう。人の欲とはそんなものでしょう。

役員の役員たる度量を見守りたいと思います。